各話あらすじ
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第1話「無名の少年」
紀元前245年中国。時は春秋戦国時代。西方の国・秦で天下の大将軍になることを目指し剣の修行に明け暮れる二人の少年がいた。名は信(しん)と漂(ひょう)。戦災孤児で、下僕として働いていた。
二人の元に、ある日昌文君(しょうぶんくん)が現れ漂を王宮で仕官させると告げる。離れ離れになる二人だが「行き着く場所は同じだ」と誓い合う。その後、王弟の反乱がぼっ発。漂の身を案じる信の元に深手を負った漂が戻ってきた。 -
第2話「運命の出会い」
漂(ひょう)に託された地図を元に黒卑村(こくひむら)へと向かった信(しん)は、そこで漂と瓜二つの少年・政(せい)と出会う。
混乱する信の前に姿を現したのは政の命を狙う刺客・徐完(じょかん)。「漂を殺したのは自分だ」とちょう笑する徐完に怒り、剣を向ける信だったが、手も足も出ず倒れてしまう。薄れゆく意識の中、しかし漂の無念を誰よりも感じている信はボロボロの体で再び立ち上がった。 -
第3話「友よ…!」
驚異的な気力と剣技で徐完(じょかん)を倒した信(しん)。だが今度は王弟が差し向けた大軍により一帯を囲まれてしまう。強行突破を図ろうとする信と政(せい)。そんな二人の前に河了貂(かりょうてん)という子供が現れる。
貂の手引きで軍の包囲をかいくぐろうとする一行。その最中、政から漂(ひょう)は万が一のための影武者だったことを聞かされ信は逆上。しかし政は「漂はそのことを十分にわかっていた」と声を荒げるのだった。 -
第4話「王と剣」
漂(ひょう)の思いを知った信(しん)は自分達の路(みち)のため、政(せい)についていくことを決意。「そのために利用するだけだ」と語る信に政も「お前はただの剣だ」と言い返す。そこに貂も加わり一行は昌文君(しょうぶんくん)を筆頭とする大王派との合流地を目指す。疾走の末、たどり着いた先は美しい緑に囲まれた楼閣であった。昌文君らの到着を待つ三人に不気味な殺気を放つ新たな刺客・ムタが襲いかかる。
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第5話「折れない心」
ムタと対じした信(しん)は初めて感じた殺気にひるみ、本来の力を出せずにいた。しかし政(せい)の檄により無意識にさがっていたことを知り、不退こそが自分の武器だと確信。血だらけになりながらも前に出る。殺気のじゅ縛から解放され、戦いの最中で進化をし始める信はついに反撃に出る。
一方咸陽(かんよう)では、伝説の大将軍・王騎(おうき)の手により、無残な姿となった昌文君(しょうぶんくん)の首が王宮に届けられた。 -
第6話「大将軍への道」
死んだと思われた昌文君(しょうぶんくん)は生きていた。政(せい)と再会を果たし涙する昌文君に対し、漂(ひょう)の死の怒りをぶつけようと剣を振り上げる信(しん)。その手は副官・壁(へき)によって止められてしまう。最後まで漂のそばにいた者として、その様子を語りたいと申し出る壁。壁が語る漂の姿は堂々たる王の姿であり英雄のような話に次第に心打たれ、己の未熟さに気付いた信。改めて将軍になる路(みち)を政に問う。
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第7話「恐ろしき山の民」
王宮奪還のための軍勢を求めて山の王へと会いに行く一行。道中、壁(へき)から山の民の凶暴性を象徴する壮絶な戦いの一端を聞かされる。恐怖と緊張に沈み込む一同の中、信(しん)だけは「味方にする値打ちがある」と意気揚々と先を目指す。その背中に何かを感じ取る政(せい)と昌文君(しょうぶんくん)。
さらに険しい山々を歩き続ける一同。ふと気づくとおびただしい数の奇妙な仮面をかぶった山の民たちに取り囲まれていた。 -
第8話「それぞれの夢」
山の民に連れられ、たった一人で山の王の元へと向かった政(せい)。その後を、信(しん)、貂(てん)、壁(へき)が追いかける。断崖絶壁の岩肌を登り山の民の王国に乗り込んでいく三人の眼前に現れたのは想像を絶する堅ろうな要さいであった。驚がくに固まった三人の背後に山の民が音もなく忍び寄る。一方山の王・楊端和(ようたんわ)は助力を求める政の申し出を一しゅうし、積年の恨みを晴らすため政の首をはねると宣告する。
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第9話「いざ咸陽へ」
楊端和(ようたんわ)の心を動かした信(しん)たちは、山の民と共に昌文君(しょうぶんくん)らの元へ。勢いにのった一行は王都咸陽(かんよう)へ攻め込む作戦会議を始める。だが、およそ三千の政(せい)側の勢力に対して竭氏(けつし)は八万の軍を集結させている。しかし政は「悪くない」と瞳を光らせる。
そのころ王宮では大局に向け準備が進められていた。そして自分に従う大軍勢を前に成蟜(せいきょう)は笑みを浮かべる。 -
第10話「王都突入」
ついに咸陽(かんよう)へと到着した信(しん)たち。政(せい)の策により、山の民の姿へとふん装し王宮へと向かう。策が功をなし城門を抜けた一行は王宮へと通じる門の前へ。緊張感が漂う中、ふと立ち止まる政。「おじけづいたのか」とからかう信に政は王宮をまっすぐに見つめ「全ての始まりはここだった」と語りだす。政と漂(ひょう)が出会い、そして信と政が出会った運命の始まりの場所。今ここに、決着の戦いが始まる!
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第11話「激戦開始」
信(しん)の活躍により朱亀(しゅき)の門を突破した一同。その勢いのままおびき出した竭氏(けつし)に襲い掛かる。ところが、山の民の刃がのど元まで迫ったその時、無数の矢が山の民の体を貫いた。此度(こたび)の動きに不審を感じていた肆氏(しし)が弩行隊(どこうたい)を率いて潜んでいたのだ。にらみ合いの中で、政(せい)は己の姿を敵前に現して注意を引き付け、その間に信と壁(へき)の別働隊は本殿へと攻め入った。
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第12話「究極の一刀」
右龍(うりゅう)の回廊へと突入した信(しん)たちの前に、ただならぬ威圧感を放つ人斬り長・左慈(さじ)が現れた。圧倒的な強さを誇る左慈は山の民すらも、一刀で斬り捨ててしまう。味方の兵すらも立ちすくむ中、信は迷うことなく立ち向かう。激しく打ち合う二人は一歩も引かずにぶつかり合う。だが、信の剣がわずかに左慈を傷付けると、激高した左慈が信の頭上に強烈な一撃を撃ち込む。
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第13話「ランカイ吠える」
信(しん)は死力を尽くした壁(へき)の援護を受け左慈(さじ)を倒す。ついに本殿へと乗り込む信たち。その迫力に大臣たちは震え上がるが、成蟜(せいきょう)は玉座に悠然と構えたまま。一同を下等なやからとさげすむ成蟜に、信は真っ向から挑みかかる。
次の瞬間、成蟜のペットであり護衛役を果たす巨大な化け物・ランカイが牙をむく。その威力に誰も手を出せずにいる中、バジオウがひとり前へと進み出る。 -
第14話「剣の力」
蟜(せいきょう)の一言で野獣化したランカイはバジオウらを次々となぎ倒す。だが、壁(へき)の言葉を受け、剣と一体となった信(しん)の渾身の一撃と気迫がランカイの戦意を打ち砕く。ランカイが倒されたことで後がなくなった成蟜は逃げ出し、最後のあがきを見せる竭氏(けっし)も信たちに討ち取られる。一方、乱戦中の政(せい)の前に突如、王騎(おうき)が現われ不敵な笑みを浮かべる。
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第15話「王の資格」
政(せい)と向かい合う王騎(おうき)は宝刀を光らせながら目指すべき王の在り方について問う。
緊張が走る中、政は表情を変えることなく「中華の唯一王だ」と言い切る。揺るぎない言葉の重みを受けた王騎は目を輝かせる。問答に満足し去っていく王騎と入れ替わるように逃げ込んできた成蟜(せいきょう)。政の姿を見つけるや否や「こいつを殺せ」と一人でわめき散らす。しかし応える者はなく、政はその拳ですべてに決着をつける。 -
第16話「呂不韋」
反乱を鎮圧し平穏が訪れたのもつかの間、王宮には新たな事件が迫っていた。秦国の丞相・呂不韋(りょふい)が遠征から戻ってくるというのだ。呂不韋は、政(せい)が大王に即位するも後ろ盾が弱いことにつけこみ竭氏(けつし)と権力を二分していた人物であり、今回の反乱でもただ傍観していたのだ。それにも関わらず飄々と戻ってくる呂不韋に怒りを隠せない信(しん)。
だが、いざ姿を現すとその存在感に呑まれ言葉を失ってしまう。 -
第17話「初陣」
中国統一を目指す政(せい)は、その第一歩として隣国・魏へと秦軍を侵攻させる。15万をはるかに超える大軍であった。戦場に向かう歩兵軍の中には漂(ひょう)との約束である天下の大将軍を目指す信(しん)の姿もあり、大軍勢に驚きながらも戦の雰囲気に触れ,気合い十分で行軍していく。
ところが伝者より、入城するはずだった秦の城が魏により落ちたとの知らせが入る。攻め込むはずが逆に魏軍の動きにもて遊ばれる秦軍の命運は? -
第18話「戦車隊の脅威」
すでに戦場と化している蛇甘平原に到着した信(しん)。命をかえりみず突撃することで知られる猛将・縛虎申(ばっこしん)の隊に配属された信たちは魏軍の大軍勢と激突した。信が属する部隊は最弱と目されていたが、ずば抜けた信の剣術と部隊長・澤圭(たくけい)たちの結束で、いびつながらも集団戦法としての戦いを演じ始めていた。
だが、魏国が最強と自負する戦車隊が現れると、逃げ場を失った秦軍は次々と攻め込まれていく。 -
第19話「烈火の戦い」
爆走する魏軍の装甲戦車は秦軍を容赦なくなぎ倒す。しかし、沈黙していた謎の剣客・羌瘣(きょうかい)の策と信(しん)の活躍により戦車隊を撃破。この戦局の変化に秦軍総大将・麃公(ひょうこう)は騎馬の大軍を突撃させ、一帯は大乱戦となる。
そして、戦車隊を攻略した信たちは隊長・縛虎申(ばっこしん)の号令により生き残ったわずか数十の兵で、丘上に陣取る魏軍副将・宮元(きゅうげん)の首を狙い再び激戦地へと走り出す。 -
第20話「王騎乱入」
鬼神のような縛虎申隊(ばっこしんたい)の突撃は多くの犠牲を出しながらも丘上奪取の目的を果たした。しかし喜ぶ間もなく、信(しん)たちが陣取る丘に向かい魏軍総大将・呉慶(ごけい)が軍を率いて動き出した。万の軍勢に迫られた信たちは対抗する戦力もなく無念さを残し丘をくだろうとする。しかし、そこへ戦には参戦していなかったはずの伝説の将軍・王騎(おうき)の騎馬隊が突如として現れ、敵を粉砕していくのだった。
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第21話「将軍の意味」
王騎(おうき)の姿を初めて目の当たりにした信(しん)は、その存在感の大きさに圧倒されてしまう。歯を食いしばって身構える信に、王騎は目もくれず期待外れだと一刀両断。天下の大将軍を目指す信は、その言葉に怒り、剣を向けてほえるのである。しかし、王騎はわめく信に全く動じず、眼下で急速に変化を始めた戦を眺め、この状況を導き出したのはたった二人の将軍であると語り始める。
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第22話「知将対猛将」
戦を理詰めの盤とらえ、いち早く地理的有利な丘に布陣し、戦況により陣形を変化させ秦軍を追い詰めてきた魏(ぎ)軍総大将・呉慶(ごけい)。一方、戦を燃え盛る一つの大炎ととらえ、わずかな変化を逃さず敵軍を撃破し、最後は自ら先頭に立ち走り出した秦軍総大将・麃公(ひょうこう)。相反する二人の将軍の戦は最終決戦を迎え、魏軍の陣に突撃した公は迎え撃つ呉慶と対じする。それぞれの思いがはせる中、ついに決着の刻がくる。
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第23話「夜語り」
初陣での活躍を評価された信(しん)は百人を率いる隊長・百人将に昇格した。魏(ぎ)戦で共に戦った仲間から、再び同じ隊で戦いたいと言われる程。しかし、その頼もしい横顔を見て寂しさを感じる貂(てん)。そんな二人の前に、信と同じ隊の仲間だった羌瘣(きょうかい)が現れる。喜ぶ信は羌瘣を招き語り合おうとするが多くを語ろうとしない。だが、貂が羌瘣の強さに迫ると突如殺気を放つ。その口から語られる壮絶な過去とは?
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第24話「新たなる試練」
羌瘣(きょうかい)から己の未熟さを指摘された信(しん)。考えぬいた信は、更なる進化を求め、世話役である渕(えん)を連れ出し大将軍・王騎(おうき)の教えを請いにその城へと向かう。
初めは相手にもされないが、信の決意は揺るがず、どうにか修業場所へと連れて行ってもらうことに。その道すがら、伝説の秦国六大将軍の話を聞き、信は改めて天下の大将軍になる決心を固めるが、突然、王騎が信を崖から突き落としたのである。 -
第25話「任命」
信(しん)が修業をしているころ、王都咸陽(かんよう)にはかつてない危機が迫っていた。趙(ちょう)国が攻め込んで来たのだ。かつて長平(ちょうへい)の戦いで40万の兵を生き埋めにされた趙国が抱く憎しみは激しく、馬央(ばおう)に進軍した趙軍は大虐殺を行っていた。秦軍の大半は別の国を攻めていたため、一般兵に緊急徴兵が発せられる。と同時に、この大戦を任すことが出来る唯一の将軍・王騎(おうき)が動き出す。
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第26話「武神 龐煖」
趙(ちょう)軍によって馬央(ばおう)は陥落し、守備前線の要である秦(しん)国・馬陽(ばよう)も猛攻撃を受けていた。秦国は伝説の将軍・王騎(おうき)を総大将に任命し、援軍を向かわせる。百人将となった信(しん)も将として戦場に赴く。一方王宮では、趙軍の総大将が龐煖(ほうけん)であることが伝えられた。誰も耳にしたことのないその名に困惑する中、昌文君(しょうぶんくん)だけは驚がくにからだを震わせる。
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第27話「飛信隊誕生」
馬陽(ばよう)へと到着した秦(しん)軍は素早く陣形を整え、それを見た趙(ちょう)軍も迎え撃つ構えを見せる。そして、両軍の陣形が完成すると共に突撃の号令が下された。そんな中、待機を続けていた信(しん)の部隊に王騎(おうき)より特命が与えられる。大乱戦となっている秦左軍の戦場に突入し、敵将の首をとってこいという無謀な作戦だった。不可能とも見える任務。だが、信はおくすることなく不敵に笑うのだった。
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第28話「王騎の飛矢」
王騎(おうき)より「飛信隊(ひしんたい)という名を与えられた信(しん)たちは、その命により、わずか百人で敵将・馮忌(ふうき)の本陣に突撃する。敵の虚をついた攻撃は威力を発揮し、敵陣を切り抜けていく。信自ら先頭に立ち、敵を切り倒す姿に士気もあがる。しかしその効果もうせ、次第に単純な消耗戦になると少数の飛信隊は窮地に追い込まれる。兵力差に戦い続けることの限界を感じた副将・渕(えん)は、ある決断を下す。
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第29話「戦局急転」
仲間の援護を受け敵陣を切り抜けた信(しん)はみごと馮忌(ふうき)を討ち取り、一日目の戦いは飛信隊(ひしんたい)の勝利で幕を閉じた。そして二日目、初日に中央の戦場で守備を得意とする敵将・李白(りはく)に苦戦を強いられていたかに見えた秦(しん)軍。
ついに蒙武(もうぶ)軍が動き出す。実は前日の動きは全て蒙武の作戦通りであり、一変して鬼神のような武力で李白の陣を食い破っていく。 -
第30話「天災」
飛信隊(ひしんたい)の活躍と蒙武(もうぶ)の圧倒的武力で勢いがつくと、王騎(おうき)は蒙武に全軍を預け一気に趙(ちょう)軍本陣へと総攻撃を仕掛ける。だが信(しん)たちが敵本陣へ突入するや否や、趙軍が奇妙な撤退を始める。
一方、軍師の勉強として観戦していた貂(てん)たちは謎の青年・李牧(りぼく)たちと移動することに。その夜、敵を退かせ歓喜に沸く秦軍野営地に、突如趙軍総大将・龐煖(ほうけん)が姿を現す。 -
第31話「集の力」
秦(しん)軍に奇襲を仕掛けた龐煖(ほうけん)は自らを「天の災い」と称し、兵士を次々と斬り倒していく。そして飛信隊(ひしんたい)の隊員の命をも奪う。無残に倒れる仲間の姿を見た信(しん)は、怒りに震え、仇を討つため羌瘣(きょうかい)と共に龐煖に挑むが、圧倒的な力の前になすすべもない。一度は退がろうとする信だが、仲間のため、そして漂(ひょう)と誓った夢のため、再び龐煖に向き合うのだった。
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第32話「敗走の飛信隊」
並外れた武力を持つ趙(ちょう)軍総大将・龐煖(ほうけん)に対し、飛信隊(ひしんたい)は信(しん)と共に反撃を開始する。
集団での一斉攻撃は龐煖の意識をそらし、その隙を狙った信の剣がを切り裂く。決着が着いたかと思った一刀は、致命傷には至らず、さらにもう一刀差し込もうとする信だが、逆に一撃をくらい気絶してしまう。飛信隊は身を挺して信を守り、追撃の中、多くの犠牲を出しながらも山中へと逃れる。 -
第33話「王騎 出陣!」
趙(ちょう)軍の追撃から逃れた飛信隊(ひしんたい)は、傷つきながらも再び戦場へと向かい旗を頼りに自軍と合流しようとする。しかし、それは趙将・渉孟(しょうもう)のわなであり再び危機に陥るのだった。だが、そこに現れた王騎(おうき)に渉孟は一蹴され、飛信隊は王騎軍と共に趙軍を追ってさらに森の奥へと進んでいく。
一方同じ頃、蒙武(もうぶ)はすでに趙軍本陣を目の前に捉えていた。 -
第34話「真打ち」
趙(ちょう)軍本陣の中に敵将・龐煖(ほうけん)を見つけた蒙武(もうぶ)。単身挑みかかるものの龐煖は刃を交えることなくその場を去る。策の臭いを感じつつも構わず後を追う蒙武軍は、仕掛けられた罠にかかってしまう。生き残った兵も断崖に追い詰められ全滅かと思われたが、この窮地に王騎(おうき)たちが到着。一方王宮には、山の王・楊端和(ようたんわ)により趙軍の中に潜む思わぬ伏兵の存在が知らされた。
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第35話「総大将 見える」
釣鐘状の地で対じした両軍。まずは、王騎(おうき)の副官・騰(とう)の騎馬隊が先制攻撃を仕掛け趙(ちょう)軍の陣を突き崩す。それに続くように信(しん)と歩兵たちがおとりとなり、敵陣を乱したところへ王騎自らが出陣。王騎は趙軍の策略の気配を感じながらも、早期に決着をつけようと、本陣へと迫る。しかしその王騎の前に、九年前の因縁に決着をつけるべく龐煖(ほうけん)が立ちふさがった。ついに、二人の一騎打ちが始まる。
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第36話「王騎と摎」
九年前、突如襲いかかってきた龐煖(ほうけん)に敗れて命を落とした秦国六大将軍の一人・摎(きょう)。天下にその名を響かせながらも、その素性が知られていなかった。実は王騎(おうき)の妻になるはずの女だった。
昌文君(しょうぶんくん)の口から語られる衝撃の事実に言葉を失う政(せい)だったが、摎はさらに出生にも秘密を抱えていたのだ。摎の隠された過去、そして王騎・龐煖の間に生まれた因縁の出来事が明かされる。 -
第37話「我、死線にあり」
秦軍総大将・王騎(おうき)と趙軍総大将・龐煖(ほうけん)の激烈な戦いは一歩も譲らず激しい打ち合いが続く。
戦場で倒れた者たちの思いを背負った王騎を追い詰めていき、ついに防戦一方となった龐煖を斬り伏せようとする。が、その時、この戦を影で操っていた李牧(りぼく)とその軍が到着。形勢は一気に逆転し、秦軍の士気は完全に打ち砕かれてしまう。
しかし、この絶体絶命の死線で王騎は笑みを浮かべるのだった。 -
第38話「継承」
死闘の末、王騎(おうき)は龐煖(ほうけん)にとどめの一撃を振り下ろそうとするが、その直前、趙将・魏加(ぎか)の一矢が背後から王騎を襲い、それを機に龐煖の一刀が深々と王騎の胸を貫いた。
その光景を目の当たりにした秦兵は戦意を喪失してしまう。
しかし、死が明白になってもなお王騎は力強く立ち上がり、そのげきにより闘志を取り戻した信(しん)や秦軍兵士は趙軍を蹴散らし、王騎と共に死地を脱するのだった。
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第1話「新時代」
もとは下僕の身でありながら、戦場に出て武功を上げ、三百人将となった信(しん)。信が率いる飛信隊(ひしんたい)は、特殊部隊として戦場を駆けまわっていた。激烈な戦を戦い抜いてきた彼らは多くの勝利を積み重ね、その存在は敵にも味方にも知られるようになっていた。一方、王宮内では若き王・嬴政(えいせい)と国の実権を握る丞相・呂不韋(りょふい)の権力争いが激化。様々な野望が渦巻き、今、新しい時代が動き始める!
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第2話「静かなる戦場」
昨年、王騎(おうき)を討ったかたきである趙国宰相・李牧(りぼく)が突如秦国へと来訪するという。騒動の発端は呂不韋(りょふい)であり、この異常事態に、王宮に呼び寄せられた信(しん)と羌瘣(きょうかい)は衛兵へと姿を変え会見へと紛れ込む。
緊迫した雰囲気の中、固唾をのんで見守る一同とは裏腹に和やかに会話をすすめる呂不韋と李牧。その様子に戸惑う信たちだったが、不意に呂不韋は「李牧を殺す」と言い放った。 -
第3話「嵐の祝宴」
呂不韋(りょふい)と李牧(りぼく)の激しい駆け引きの末、秦趙(しんちょう)同盟を成した両国はそれを祝して盛大な宴会を催すことになる。会場内には、その場に出席した信(しん)と羌瘣(きょうかい)が思わず目を奪われる程華やかな光景が広がるが、それとは裏腹に秦趙両国の間には張り詰めた空気が漂っていた。
そんな雰囲気をよそに意気揚々と宴会の席に付く信だったが、その向かいにはきゅう敵・李牧の姿が。 -
第4話「王と蟻(あり)」
五年で将軍になることを政(せい)に誓い、再び戦場へと戻った信(しん)。しかし、大きな手柄を上げるほどの戦には出会えず焦りを募らせる。そんな中、信たちのいる前線地帯で秦国軍を押し返すべく魏国軍が集結し、思わぬ大軍と化していた。この好機に、飛信隊は敵将を討つべく単独で敵本陣を急襲する。しかし、相手の防陣を突破した先にいたのは、すでに敵将を討ち取り悠然とたたずむ秦国の若き将・王賁(おうほん)であった。
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第5話「第三勢力」
貴士族のエリートで構成された秦(しん)軍特殊三百人隊・玉鳳隊(ぎょくほうたい)を率いる王賁(おうほん)は、戦の素人集団である飛信隊(ひしんたい)を「蟻(あり)」と呼びさげすむ。その屈辱に思わず剣を抜く信(しん)だったが、王賁が繰り出したやりは信を圧倒し、力の差を見せつけた。その夜、悔しさにほえる飛信隊は、玉鳳隊を出し抜くべく自分たちにしか出来ない過酷な作戦を実行することを決意する。
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第6話「美しき猛毒」
大王派と呂不韋(りょふい)派とは別に新たに姿を現した第三勢力・後宮。そこは政(せい)の母・太后が支配する特別な領域であり、絶大な勢力を擁するが、これまで権力争いには興味を示さず静観していた。しかし、その後宮から大王派である肆氏(しし)の元に突如書簡が届けられる。これに太后の闇を知る昌文君は強い警戒心を示す。
この事態に大臣たちが対応を議論をする中、政は誰にも話すことなく一人後宮へと向かう。 -
第7話「呪われた王子」
かつて秦国と趙国の間で起こった長平(ちょうへい)の戦い。この戦で秦国は勝利を収めるが、未曾有の大虐殺を行ったことで趙国から深い恨みを受けることとなる。その恨みは趙国に残された秦国の王子・嬴政(えいせい)に向けられ、彼は幼い頃から侮蔑と虐待の日々を暮していた。月日は流れ、時の秦王崩御を機に、政を秦国へと逃がす極秘の計画が趙国の闇商人・紫夏(しか)の元に持ち込まれる。
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第8話「政と紫夏」
失敗すれば命がないことを知りながら、紫夏(しか)は政(せい)を秦国へ送り届けることを決意し、一行は趙国を抜けるための5つの関門へと向かう。紫夏の手腕により1つ目の関門を通過するが、その一方で、政はうつろな目のまま何かにおびえるかのように夢にうなされ続ける。その様子を見た紫夏は政の身に異変が起こっている事を感じ取るがどうすることもできずにいた。そんな中、政が隠れている俵に突如矢が射ち込まれる。
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第9話「つなぐ願い」
味も匂いも痛みも何も感じることが出来ず、自分は壊れてしまっていると語る政(せい)。過去の亡霊に縛られ前に進むことが出来なかった政だが、紫夏(しか)が差しのべた手は政を闇から強く引き上げ、その手に救われた政は正気を取り戻す。
最後の関門を抜けた一同は秦国への道を急ぐが、ついに趙国の騎馬隊に追いつかれてしまった。戦いながらの逃走は激烈を極め、敵の猛攻に次々と仲間が倒れていく中、紫夏は決意の表情を浮かべる。 -
第10話「砕けた愛」
始皇5年、秦国は魏国の地・山陽一帯を領土とすべく、大軍を興して魏国へ侵攻させる。信たちは、秦国総大将・蒙驁(もうごう)率いる本軍に組み込まれ、気合い十分で行進する。一方王宮では、後宮の権を握る実力者たちが政(せい)の元へと来訪し、これで助力を得られると、大臣たちは大いに盛り上がる。しかし、ある夜、宮女・向(こう)は政の敵であるはずの呂不韋(りょふい)と仲むつまじく歩く太后の姿を目撃してしまう。
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第11話「揃い踏み」
王宮内の勢力争いにおいて、政(せい)に協力したかと思われた太后だったが、実は政の宿敵・呂不韋(りょふい)と裏でつながっていた。二人の密会の現場を目撃してしまった宮女・向(こう)は、気配に気づいた宦官の手により深手を負ってしまう。
そのころ、戦場では、魏国に侵攻中の秦国軍の中にいる信、王賁(おうほん)、蒙恬(もうてん)の若き将が、それぞれ大きな武功を目指し、ついに最初の城・高狼(こうろう)へと到着する。 -
第12話「高狼城攻略」
宮女・向(こう)の命がけの証言により呂不韋(りょふい)と太后の不義を知った政(せい)陣営は、一気に敵陣営を打ち砕くべくその事実を触れ回る。その効果は即座に現れ、呂不韋陣営を大きく揺るがすこととなる。
一方、高狼(こうろう)城を攻める秦国軍は、敵の巧みな防御術の前に苦戦を強いられていた。戦局は動かず、徐々に士気が下がっていく。強固な城壁を前に飛信隊も手が出せずにいた。そんな中、玉鳳隊が単独前へと出る。 -
第13話「俺の戦り方」
井闌車(せいらんしゃ)を用い、高狼城の城壁の上へと攻め込んだ王賁(おうほん)。その勢いのまま玉鳳(ぎょくほう)隊は城門を奪うが、城内へと攻め込んだのは蒙恬(もうてん)の楽華(がくか)隊だった。そして電光石火の早業で秦国軍は城を陥落させる。
ところが、その奪い取った城では秦国軍兵士による魏国の民への暴力行為が行われ始めていた。あまりに悲惨な状況に信(しん)は激高し、相手が秦兵にも関わらず剣を向ける。 -
第14話「その男、廉頗」
かつて趙国三大天の一人として天下を恐れさせ、秦国六大将軍とも互角の戦いを繰り広げた廉頗(れんぱ)大将軍。しかし、時の趙国王の命に背いた事で国を追われ、魏国へと亡命する事となった。その後一度も軍を率いる事はなかった。しかし、魏国王の命により国に攻め入ってきた秦国軍を討つべく再び戦場に立つ事になった。そして大戦を前に、廉頗と共に死線をくぐり抜けてきた四天王の一人・輪虎(りんこ)がひそかに動き出す。
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第15話「武将の空気」
秦国軍は魏国侵攻後、三つ目の城となる近利関(きんりかん)も落とし、飛信隊も敵将を討つ武功を上げる。しかし、喜びに沸いていたのもつかの間、廉頗(れんぱ)四天王・輪虎(りんこ)の暗躍によって秦国軍の千人将が次々と斬られていく。警備を強化するも輪虎を捕える事はできなかった。そして近利関を出立した秦国軍に再び輪虎が襲いかかる。その殺気に対じした者たちはひるんでしまうが、信(しん)は真っ向から斬りかかる。
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第16話「真夜中の大将軍」
魏国に名だたる武将はおらず、亡命した廉頗(れんぱ)も軍を率いる事はないと考えられていた。しかし廉頗が出陣した事が秦国軍に伝えられると、一同は焦りを隠せないでいた。
しかし、総大将・蒙驁(もうごう)は柔和な笑みを浮かべたまま動じる様子はない。だが蒙驁は、かつて幾度となく廉頗と戦い一度も勝った事がないという過去を持っていた。その夜、不思議な癖を持つ蒙驁は、老人歩兵に化け陣内をこっそりはいかいする。 -
第17話「開戦前夜」
輪虎(りんこ)の手により多数の千人将を失った秦国軍は、急きょ、現在の三百人将の中から二名を千人将へと昇格させるという。一同が注目する中、選ばれたのは玉鳳隊(ぎょくほうたい)・王賁(おうほん)と楽華隊(がくかたい)・蒙恬(もうてん)だった。その結果に信(しん)は悔しさを隠せなかった。ところが、総大将・蒙驁(もうごう)の推挙により、信も臨時ではあるが千人将へと昇格を果たすこととなる。
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第18話「激突!」
決戦の地・流尹(るい)平野へと到着した両軍。此度の戦で蒙驁(もうごう)軍の副将を務める二人の武将、桓騎(かんき)と王翦(おうせん)、この二人を率いた蒙驁は穏やかな中にも決意を秘め、長年の敵である廉頗(れんぱ)に挑む。
対する廉頗も共に激烈な戦場を戦い抜いてきた四天王を従え、激突のときを待つ。その顔には余裕の笑みを浮かべ自信と闘志が満ちあふれていた。そして両軍の陣形が整うと、ついにその第一陣が激突する。 -
第19話「峰の奇策」
戦の序盤、勢いで勝っていた秦国軍。第一陣で急造の千人隊は統率がとれず徐々に押し込まれていく。それは玉鳳隊(ぎょくほうたい)も同様であり、その隙を狙った輪虎(りんこ)が王賁(おうほん)に襲いかかる。王賁はひるむことなく輪虎に果敢に打ち込むが捕えることはできない。第一陣の苦戦を見た秦国軍は第二陣を送り込むも、次々と崩されてしまう。しかし、その中で飛信隊(ひしんたい)だけは怒とうの攻撃をみせる。
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第20話「飛信隊逆襲」
飛信隊(ひしんたい)の活躍により一時は勢いを取り戻したかに見えた秦国軍。しかし魏国の第二陣を率いる廉頗(れんぱ)四天王の一人・玄峰(げんぽう)の策により辺り一面が煙に覆われると、突然のことに混乱する秦国軍は敵の弓兵になすすべもなく、さらに煙の中から現れた装甲戦車に脅やかされていく。そんな中で唯一飛信隊(ひしんたい)は敵の策を見抜いて逆にかく乱し、さらにこの状況を打開すべく強行突破で敵本陣へと迫る。
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第21話「盗賊対軍略家」
反撃に出た飛信隊(ひしんたい)と玉鳳隊(ぎょくほうたい)だったが、秦国軍を壊滅させた玄峰(げんぽう)は早々に退却してしまい、秦国軍は大敗を喫してしまった。一方、秦国軍の副将・桓騎(かんき)は廉頗(れんぱ)四天王の一人・介子坊(かいしぼう)と交戦していた。桓騎の奇襲に苦しめられた介子坊は、やむなく玄峰と将を交代することに。隠されていた桓騎本陣を当てた玄峰。そんな玄峰の本陣に突然、桓騎が姿を現した。
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第22話「蒙恬の提案」
秦国軍副将桓騎(かんき)が敵将玄峰(げんぽう)を討ち取ったという報告が届いた。信(しん)は桓騎に続き敵将・輪虎(りんこ)を討ち取ろうと闘志を燃やす。しかし、蒙恬(もうてん)は今の戦い方では到底太刀打ちできないと語る。なぜなら輪虎はかつて秦国六大将軍の王騎(おうき)に一太刀浴びせたこともある強者で、今回はまだ本気を出していないというのだ。輪虎を倒すため、蒙恬は信と王賁(おうほん)にある提案をする。
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第23話「三隊共闘」
魏国軍の猛攻の中、秦国中央軍は守備に徹した戦いを進めるが、その中で蒙恬(もうてん)率いる楽華隊(がくかたい)が独断で遊軍と化し、単独前へと出る。その動きに敵も味方も驚く中、信(しん)と王賁(おうほん)だけは戦況を見つめたまま合図を待つ。これこそが三隊で輪虎(りんこ)を討つために、前日、蒙恬から提案された作戦であったのだ。そのまま楽華隊は輪虎本陣に突撃するが、その前には屈強な輪虎兵が立ちはだかった。
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第24話「越えるべき壁」
狙い通り、輪虎兵(りんこへい)を次々と討ち取っていく楽華隊(がくかたい)。そして、蒙恬(もうてん)の合図で飛信隊(ひしんたい)と玉鳳隊(ぎょくほうたい)が輪虎本陣へと攻め入った。だが、動じる様子のない輪虎は、逆に猛攻を仕掛けてきた。
一方、左軍では敵に押し込まれ本陣が後退する中、唯一、壁(へき)はその場で奮戦していた。ところがそこへ、本陣とともに退いていたはずの秦国軍副将・王翦(おうせん)が現れる。 -
第25話「裏の裏」
王翦(おうせん)将軍の命により五千の兵を率いる将となった壁(へき)は、廉頗(れんぱ)四天王の一人・姜燕(きょうえん)の迎撃に向かう。敵を討つのに絶好の地形に敵軍を追い込んだ壁。圧倒的有利な状況で姜燕を討ち取ろうとする。しかし新たな敵軍の出現によって逆に窮地に追い込まれてしまう。これまでの優位はわなだったのだ。そんな中、突如現れたのは、壁に燕姜の迎撃を命じたはずの王翦(おうせん)その人であった。
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第26話「将の器」
姜燕(きょうえん)軍を追い詰めた王翦(おうせん)軍だったが、その行動すら読んでいた廉頗(れんぱ)が自軍を率いて姿を現した。伝説の大将軍・廉頗の登場に士気が上がった魏国軍は、凄まじい勢いで襲い掛かろうとする。その状況を見ていた王翦は、しかしあっさりと自軍の砦に撤退してしまうのだった。一方、死闘を繰り広げていた信(しん)は輪虎(りんこ)に痛烈な一撃を撃ち込むも、討ち取る事かなわず撤退を余儀なくされる。
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第27話「決着の刻(とき)」
流尹(るい)平野での戦いが始まり六日目、前日の死闘の傷も癒え、信(しん)は決戦のときを待っていた。しかし、この日の飛信隊(ひしんたい)は後方支援として待機することを命令される。不満がる信だったが、実は輪虎(りんこ)に当たりやすいようにとの配慮からだった。闘志を燃やす信。戦いが始まり、守備に徹した戦いを行う秦国中央軍に対し、輪虎はかの王騎(おうき)軍の守備すらも貫いたという特殊な戦術を仕掛けてきた。
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第28話「最後の策」
中央軍同士の激しい戦いと時を同じくして、蒙驁(もうごう)本陣で背後に廉頗(れんぱ)が自軍を率いて現れた。攻め込んでくる廉頗に対し、蒙驁は長年にわたり練り上げて来た布陣で立ち向かう。一方、中央では秦国軍の陣形を輪虎(りんこ)が圧倒的な破壊力で突破してくる。ところが、その進撃を止めたのは、隊を分離して突撃してきた飛信隊(ひしんたい)であり、そして信(しん)は、再び輪虎と対じするのだった。
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第29話「一瞬」
蒙驁(もうごう)のしいた布陣をかわし、頂上へ向かって駆け上がって来る廉頗(れんぱ)。もはや廉頗の突入は時間の問題であった。
一方中央では、輪虎(りんこ)が前日の左腕の負傷にもかかわらず、信(しん)の足に深手を負わせていた。だが、信は傷の深さにも関わらず驚異的な精神力で立ち上がるのだ。戦いは激しさを増し、周りの者は手が出せず一騎打ちの様相を呈してくる。そんな二人の間に割って入ろうとする者がいた。 -
第30話「大事な仲間」
信(しん)は自分への注意がそれた一瞬の隙をついて輪虎(りんこ)を斬り伏せた。しかし、輪虎は再び立ち上がる。ボロボロになりながらも輪虎は、廉頗(れんぱ)のために負けるわけにはいかないと語るのだ。
同じころ、飛信隊(ひしんたい)の負傷兵を率い待機していた羌瘣(きょうかい)の前にすさまじい破壊力を持った騎馬隊が突撃してきていた。深い傷を負っていた羌瘣は一瞬躊躇するも、副長として仲間のため立ち向かう。 -
第31話「蒙驁、退(ひ)かず」
信(しん)と輪虎(りんこ)の一騎打ちは激戦の末、信が勝利した。激闘を終えた信は、残してきた羌瘣(きょうかい)の無事を確認すると、休む間もなく敵軍が迫る秦国本陣へと急ぐ。その本陣には敵将・廉頗(れんぱ)が攻め込んで来ていた。圧倒的な威圧感を放つ廉頗を前に兵士たちが恐怖で動けなくなる中、蒙驁(もうごう)はただ一人、前へと進み出る。そして40年間の熱き想いを武器に、蒙驁は廉頗に一騎打ちを挑むのだった。
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第32話「色あせぬ時代」
廉頗(れんぱ)に一騎打ちを挑んだ蒙驁(もうごう)だったが、廉頗の圧倒的な武力の前にその矛は届かず、重傷を負わされてしまう。駆けつけた信(しん)もそんな二人を前に息をのむ。しかし、その後の廉頗の王騎(おうき)将軍を侮辱するような発言に、信はたまらず怒声を上げ、真っ向から立ち向かうのだった。一方、魏国本陣には行方をくらませていた桓騎(かんき)軍が攻め込み、魏国総大将・白亀西(はくきさい)を捕えていた。
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第33話「勝利…そして」
桓騎(かんき)が魏国軍総大将・白亀西(はくきさい)を討ち取ったとの報に、秦国軍本陣に攻め込んできていた介子坊(かいしぼう)は、戦を五分に持ち込むべく蒙驁(もうごう)を討ち取ろうとする。
しかし、戦が詰んでいることを感じた廉頗は介子坊を制し、蒙驁に和睦を申し入れる。この瞬間、秦国軍の勝利が決定した!
そして改めて廉頗と向かい合った信(しん)は、廉頗より大将軍の条件を突きつけられ、決意を新たにする。 -
第34話「軍師の到着」
勝利を収めた秦国。そして、武功を上げた信(しん)は正式に千人将に昇格する。勢いそのままに新たな戦場へと繰り出すが、連戦連敗を重ねてしまう。実は、今まで作戦立案を行っていた羌瘣(きょうかい)が抜けた事で、これまでのように隊が機能しなくなっていたのだ。見かねた蒙恬(もうてん)の紹介により、飛信隊(ひしんたい)に新たな軍師が加入する事となったのだが、よそ者の加入に信たちは大きな拒絶反応を示すのだった。
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第35話「試練と覚悟」
連戦連敗を重ねる飛信隊(ひしんたい)に新たに軍師としてやってきたのは、なんと河了貂(かりょうてん)であった。
しかし、隊内の者から新参者の指示には従えないと拒絶されてしまう。だが、そうなることを十分に理解していた貂はひるむ事なく彼らと向き合い、戦場にとどまる覚悟を語る。信(しん)は貂の決意を真剣に受け止めながらも戦いへの口出しは認めなかった。しかし、その後も状況は好転せず、ついに河了貂が指揮をとる。 -
第36話「上を行く」
指揮を任された貂(てん)の機転により、飛信隊(ひしんたい)は魏国軍を見事にかわし、立て直しに成功する。
今までと違う動きに違和感を感じた敵軍師は、飛信隊への新たな参謀役の加入を確信し、策を仕掛けるのだった。だが、貂の指示により飛信隊は圧倒的優勢の状況を作り出し、混乱した敵先鋒隊を一気に葬り去る。
対する敵軍師は次なる一手を繰り出すが、それすらも上回る貂の作戦により飛信隊はついに勝利を収めるのだった。 -
第37話「遠雷」
貂(てん)の活躍により力を得た飛信隊(ひしんたい)は次々と敵を撃破。そんな彼らの活躍もあり、新たな土地の平定に成功した秦国は、領土拡大のための宣戦布告を行った。その動きを注視していた李牧(りぼく)は、なぜか燕(えん)軍との戦に動き出す。一方、咸陽では呂不韋(りょふい)が「相国(しょうこく)」という地位に座り、さらなる権力を握ろうとしていた。呂陣営に対抗すべく、政(せい)は意を決しある場所へと向かう。
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第38話「謀略の舞台」
かつて反乱を起こし幽閉されていた成蟜(せいきょう)と対面した政(せい)は、成蟜とその一派を解放する代わりに呂(りょ)陣営の勢力に対抗するための協力を要求する。一方飛信隊(ひしんたい)は、東の前線基地・東金(とうきん)へと向かう途中、韓軍に攻め込まれていた徐(じょ)という国を救出する。それにより、当初の行軍予定とは別の道を進む事となるのだが、その最中、数千の兵を率いた李牧(りぼく)と遭遇する。
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第39話「新たなる伝説」
威をふるう呂不韋(りょふい)に対し、成蟜(せいきょう)と手を組んだ政(せい)は、発言権を持つ左丞相に昌文君(しょうぶんくん)を据える事に成功し、中国統一への足がかりを得る。
一方、李牧(りぼく)と相対した信(しん)は、その言動から、更なる嵐がおこるであろう事を予感するも、それを乗り切るため決意を新たにする。中国統一を目指す政と、天下の大将軍を目指す信。二人は、それぞれの道をしっかりと見据えていた。