キングダム KINGDOM

Special

「キングダム」最強インフルエンサー!激アツ対談
<第1弾>

キクチウソツカナイ。×吉村崇(平成ノブシコブシ)
「キングダム芸人」収録時のお話しに加え、原作とアニメで描かれる「合従軍編」の魅力や好きなキャラクターなど、「キングダム」好きの2人が語る最強対談!

TVアニメ第3シリーズは『キングダム』にハマる
ビッグチャンス!!

キクチ:吉村さんはヤンジャン本誌で連載を追いかける派ですか?

吉村:僕は単行本派ですね。実は読み始めた時点で、ある程度は単行本が出ている状態でした。

キクチ:僕は週刊連載で第1話から読ませて頂いて、もう1話目から心をギュッと掴まれた感じでした。
元々、漫画好きでヤングジャンプも買っていたんですけど、毎週買う楽しみが一つ増えたなという印象でしたね。

吉村:もともと、芸人の楽屋で『キングダム』のことは話題になってたんですよ。芸人って職業柄か流行りそうなモノに対してのレーダーが敏感というか、キャッチするのが早いんです。なので、作品の存在自体はけっこう早くから知ってました。最初は流行り始めた様子を横目で見ながら「まだいいかな…」なんてよそ見してたんですが、コミックスが10巻ほど出たタイミングになってようやく手を出してみて……一気にハマりました(笑)。

キクチ:芸人の中ではかなり早い段階でブームがきてたんだよね。

吉村:これ、もう何度も話してるんですけど、『キングダム』と出会ったタイミングって、自分の出ていたTV番組を見てるとわかりやすいんですよ。明らかに寝不足の顔して画面に映ってますから(笑)。読み始めて止まらなくなって、めちゃくちゃ収録に悪影響を及ぼしてました(笑)。

キクチ:仕事が疎かになるほど魅力的だったと(笑)。

吉村:「明日ロケで早いから読んでる場合じゃないのに…」と思ってても、「あと1巻だけ…」と『キングダム』沼から抜け出せなくなってましたね。

キクチ:週刊連載で読むのって、実は個人的には厳しいんだよね(笑)。次週の号まで待つのが辛くて。

吉村:それなんですよ!だから申し訳ないんですけど、ヤンジャン本誌で読めないんです。でも最近は、ついに我慢できなくなってアプリで最新話を読み始めちゃってますけどね(笑)。

キクチ:毎週「熱い!」というのが、『キングダム』の凄いところだよね。

吉村:人気漫画って世の中にたくさんありますけど、「波」があるじゃないですか。盛り上がったシリーズの後の「つなぎ」みたいな部分。次の階段をのぼるための「踊り場です」みたいな、ちょっと落ち着いちゃう展開。でも『キングダム』には、そういう「緩む」場所が無いんですよね(笑)。

キクチ:物凄い戦いが終わったと思ったら、もうすぐに次の展開が待ち受けてる。

吉村:ずーっと休まず、螺旋階段を登り続けてるんですよ。だから原先生も大変だろうなと思いますよ(笑)。

キクチ:昔から漫画が大好きで、王道の少年漫画もたくさん読んできたんですけど、大人になってから新しく読んだ漫画って、どうしても過去の思い出深い作品と比べて、上回る感動を得られることが少なくなっていくんです。そんな中で、大人になってから出会ったにも関わらず「超えてきた」のが『キングダム』でしたね。青年誌の漫画なのに、かつて持っていた子供心をくすぐってくれた作品です。

吉村:いまの日本の漫画って、もう一大産業じゃないですか。子供の娯楽だけではなくなってしまった。ヒットした漫画を読んでいると、キャラクタービジネスの匂いがプンプンするんですよね。「このキャラクターで一儲けしてやろう!」みたいな(笑)。でも『キングダム』は潔いというか、「キャラ萌え」みたいな視点では初めから一切勝負してないですからね(笑)。いまでこそ大人気キャラな王騎なんかも、初登場の時点だと「なんだコイツ!」みたいな印象でしたから(笑)。

キクチ:物語の中で、どんどん魅力的に描かれていくんだよね。キャラクターの成長を一緒に見守っていけるのが面白いよね。

吉村:漫画としての面白さ優先で、ストイックというか、商業的な戦略をあまり感じなかった(笑)。もちろん、原先生としては、きちんと計算されてたのかもしれないですけどね。

キクチ:作者の人間性が、やっぱり作品にも反映されるんじゃないかな。原先生の真摯さというか。真っすぐで嘘のないパワーを感じる作品です。

吉村:漫画史の歴史に名を残す作品ですよね。始皇帝のイメージも、『キングダム』の前後でずいぶん変わったと思いますよ。歴史家の先生方の間では、始皇帝に対しての再評価が始まってるとか聞きますから。始皇帝って「悪」のイメージが強かったんですが、そういったイメージは、後に秦を滅ぼした漢による印象操作もあるんじゃないかと。始皇帝の再評価と『キングダム』の連載タイミングが、ちょうどピッタリ合ったということなのかもしれないですけどね。

キクチ:時代の神にも愛されてる(笑)。『キングダム』って史実を元にした漫画だから、ストーリーの大枠は決まっちゃってるじゃないですか。秦は中華を統一しちゃうんですよ。嬴政は中華の王になるんです。でも『キングダム』を読んでると、「これ、負けちゃうじゃん!」って、真剣にハラハラさせられることが多いんですよね(笑)。そのハラハラが最大限体験できるのが、まさに今回アニメで描かれる――、

吉村:この「合従軍編」!実は「合従軍」の物語って、史実の記録だと数行程度の記述しか残ってないんですよね。

キクチ:「不抜」ってね。

吉村:それを、あれだけ壮大な物語に仕上げてしまう…。原先生の手腕が恐ろしいですよ! 大河ドラマなんかでもそうなんですけど、史実に作り手の「色」を乗せて物語を面白くしていく。それと同じですよね。『キングダム』は、まさに漫画版の大河ドラマですよ。
キクチ:少ない記録しか残ってない歴史上の人物たち…それこそ王騎なんて死の記述くらいしか残ってないのに、これだけ魅力的なキャラクターに押し上げてしまう。普通の漫画だったら、活躍の記録が多く残ってる呂不韋あたりを主人公にしてしまうと思うんですよね。それが…『キングダム』の呂不韋の憎らしいこと(笑)。

吉村:呂不韋もそうですけど、『キングダム』の登場人物って、男の色気がすごいんですよね。もうみんなギンギンで(笑)。

キクチ:とにかく、史実では秦は中華統一するらしいですけど、『キングダム』で本当にそうなるのか、僕はまだ半信半疑で読んでるところです(笑)。それくらいに先の展開が読めない。信も政も、まだ死なないはずなんですよ。でも読んでると「さすがにこれは死んじゃうんじゃないか!?」って思わされてしまう(笑)。

吉村:そう思わされるのが、まさに「合従軍編」の魅力のひとつですよね!ある種、『キングダム』における物語の最大のキーポイント!

キクチ:大げさではなく、『キングダム』を国民的漫画に押し上げたエピソードだと思うんですよ。なので、ちょっとこのブームに乗り遅れてしまった人…「気になるけどコミックス50巻以上あるしなぁ」なんて躊躇してる人は、まずは4月からのアニメ第3シリーズを見て欲しいですね。チャンスですよ、いまが!

吉村:考えてみれば『アメトーーク!』で「キングダム芸人」やった時(※2015年5月28日放送)も、ちょうど「合従軍編」が終わったあたりでしたよね。やっぱり何か、そういうタイミングがあるんですよね!

「キングダム芸人」の収録は完全にアウェーだった!?

吉村:『アメトーーク!』で「キングダム芸人」を収録した当時は、観覧のお客さんの中で読んだことある人が2、3人くらいしかいないような状況でしたね。僕自身も番組を収録していて、ウケるのかどうか不安でしたから。「あるある話とかやっても大丈夫?」みたいな。

キクチ:思ったような『アメトーーク!』の収録にならなかった印象が残ってます。僕らは収録終わりに一緒に帰ったんですけど、手応えを感じられなくて。なんでだろうと理由を考えてみたら「ボケてないから」なんですよね。ボケてもスベってもないという…バラエティ番組に出演したような気分では無かったです。

吉村:ただ、好きなことを熱く語ってただけですからね。それこそね、収録現場には『キングダム』好きの日本代表くらいの意気込みで乗り込んでいきましたからね!そしたら観客席との温度差は物凄いものがありましたよ。

キクチ:僕は「キングダム芸人」の収録が初の『アメトーーク!』への出演だったんですよ。なので、悲しいことに会場のお客さんも僕のことを知らない人が多くて。お客さんからしたら、なんだか知らない人が読んだことのない漫画のことを熱く語っている様子を見せられるという非常にシュールな空間。でも、そんな状況でも放送後にあれだけの反響があったということは、やってよかったなと思えますし、『キングダム』という作品の持っているパワーがホンモノだったということが証明されたんですよね。

吉村:お客さんとの距離感に収録しながら気付いて、頭を途中で切り替えましたからね。

キクチ:用意してたボケとかも、使えなくて。「そんなこと言ってたら轟丹丸食らわせますよ!」なんて言ってる場合じゃなかったですから。これはもう、ストレートにイチから熱く語るしかないんだという気持ちに、本番入ってからスイッチが切り替わりましたね。小島瑠璃子さんをのぞけば、あの番組に出演した芸人って4人だけ(※ケンドー・コバヤシさん、サバンナ高橋さん、吉村さん、キクチさん)ですからね。いまもこうして「キングダム芸人」を名乗らせてもらえるのは誇りですよ。

吉村:僕ら、最初の「伍」みたいなもんですからね(笑)。

「一番好きなキャラクター」なんて選べません!!

キクチ:「一番好きなキャラクターを教えて」という質問は、本当に困りますね…。その質問は反則、ナシですよ…!

吉村:とりあえず僕個人としては王騎は殿堂入りなんで、彼抜きで考えていいですか?

キクチ:まぁ、王騎はみんな好きだよね。

吉村:そんな大人気キャラにもかかわらず、物語の序盤で退場してしまう。ただ、いま振り返ってみるとベストタイミングだと思いますけどね。

キクチ:いまだに1巻から読み返してみても、この先、死ぬわけないと思いながら読んじゃいますから。

吉村:序盤で死ぬんですけど、その後もちゃんと作品の中で「生きて」るんですよね。

キクチ:後に、信が王騎から受け継いだ矛をついに振るうようになるシーンが出てくるんですけど、もう最高でした!

吉村:…で、好きなキャラの話ですよね……うーん…。

キクチ:好きなキャラを聞かれると必ず騰は第一候補に入ってきます。王騎を支え、そして今や王騎に匹敵するほどの魅力あるキャラになった…。最初に王騎の副官として出てきた彼が、後に26巻で堂々と表紙を飾るなんて想像もできなかったから(笑)。作中の役割的にも、王騎に成り代わってますからね。「合従軍編」でも騰の好きなシーンがあるんですが、騰が蒙武に向かって「王騎の死でお前は強くなった、そして私は元から強い」というような台詞を言うんだけど、そこがたまらないです。僕が「騰推し」になったのは、そのシーンを読んだ衝撃が大きかったのもありますね。

吉村:王騎以外で考えると……呂不韋ですかね。圧倒的な存在感!

キクチ:味方の陣営にいるはずなのに、最大の敵の一人だという立ち位置が面白い!

吉村:でも、悪役なんだけど嫌いになれないんですよね。スケールが大きくて魅力的で…急に象を呼んで大宴会開いちゃったり「なにしちゃってんのこの人!」みたいな。武将の強さとはまた違ったベクトルを持ったキャラじゃないですか。名だたる猛将達を従えてトップに立っている知将。成り上がっていく過程のエピソードも面白いですしね。

キクチ:呂不韋は、単独のスピンオフ漫画なんかも読んでみたいですね。

吉村:呂不韋と、あと李牧なんかも、彼らが主役の物語を読んでみたいですよね。李牧に関しては、先生が『キングダム』の連載前に読み切りで描かれてますけど…。

吉村:個人的には呂不韋の物語も描いてほしいですね。呂不韋が政と手を組んで統一に向かっていたら、もっと物語は早く決着が付いたんじゃないかと個人的には感じてるんですよ。そして…また「合従軍」の話に戻ってきちゃうんですけど、巨大な敵が攻めてきたことで、初めて政と呂不韋が…秦という国がひとつになるんですよ!

キクチ:あの常にどっしりと構えていた呂不韋が、初めて少し焦った表情を見せるほどの秦国の一大事!

吉村:ただ、やっぱり一筋縄でいかない人物ですから、戦う姿勢を見せながらも、裏では秦が負けた時の事も同時に考えて手を回していたりね(笑)。とにかく計算高い…大人なキャラですよ。やっぱり、史実でも名を残した逸材ですから、それ相応な立ち回り方を作中でもしてますよね。

『キングダム』インフルエンサーとしての最後通告!?

吉村:もうね、さんざんやってきてるんですよ。漫画もアニメも、実写映画も公開されてヒットして。それでもスルーしているような人がいたら……もうこっちも無視するしかないかもしれません(笑)。きっと僕らとは交わらない、違う種類の人間なんですよ。

キクチ:作品に触れるタイミングはこれまでに散々あったよと。だから今回のアニメは、ある意味ラストチャンスかもしれないよと。この「終電」に乗り遅れちゃ、もったいなさすぎるよと。僕らからしたら、もう国民全員が乗車しているものだと思ってましたから。

吉村:前にWEB動画で「未ングダム」という、『キングダム』を読んだことない人を集めて作品を読んでもらう企画をやったんですけど、やっぱり読んでもらえばみんなちゃんとハマってましたからね!あと、友達の輪も広がります!

キクチ:『キングダム』が好きだという話を振ると「え…?アナタも?」みたいに交流が生まれるよね。ちょっとおカタいお偉いさんなんかとも話すきっかけになったりしますから侮れないです。

吉村:ゴルフコンペみたいなもんですよ(笑)。

キクチ:コミュニケーションツールとしても『キングダム』は優秀です!女性読者も意外と多いですし。

吉村:「キングダム芸人」で共演させてもらった小島瑠璃子さんとかね。僕、アナウンサーの川田裕美さんには全巻贈りましたからね。

キクチ:僕はグラビアアイドルの倉持由香ちゃんに勧めました。この前ご結婚されて幸せになられてますけど、きっと『キングダム』を読んだご利益ですね!

吉村:幸せになりたければ『キングダム』を読めばいいと!

キクチ:人生における成功のヒントなんかも、実は作中で描いてありますしね。この作品はウソをつきません!「キングダムウソツカナイ」ですよ(笑)。

吉村:時間が許すならば、アニメの第3シリーズを見る前に第1、第2シリーズもおさらいしてほしいですけどね。いやぁ、ほんとに楽しみです!第3シリーズは4月からの放送ですよね?オリンピックの前に、でっかいイベントが用意されましたよと(笑)。何クールくらいで描かれるんですかね?「合従軍編」は2年くらいかけてじっくり描いてほしいです!もう8クールくらいいきましょう!!

キクチ:そんな放送枠、あんまり聞いたことないよ(笑)。v吉村:もう誰も覚えてないと思いますけど、いまや大炎となった『キングダム』人気の最初の火種を着けさせてもらったのは我々かもしれないという想いはね…。

キクチ:麃公も言ってたじゃないですか。「火の起こしどころが大切」だって。大炎にするには我々だけでは力不足かもしれないけど、火種は確かに起こせたんですよ、きっと(笑)。

吉村:でも、今度また「キングダム芸人」みたいな企画があってら、もっと若い連中に話がいっちゃうんですよ(笑)。「吉村?もういいよ、あんな古い奴らは」みたいな(笑)。

キクチ:若手芸人にも好きな人、増えてるからね(笑)。第2回の「キングダム芸人」の企画があったとしても、絶対に僕なんて声かけてもらえないと思うよ…。

吉村:僕もそうですよ。たぶん「EXIT」あたりがひな壇に座ってます(笑)。

キクチ:じゃあ僕らは蒙驁と張唐の格好して、それを眺めてますかね(笑)。

吉村:「重みが足りん!」とか言ってね(笑)。


『キングダム』ファンに向けてのメッセージを!

吉村:とにかく「お待たせしました!」ということですよね。とんでもない激アツの物語がアニメで始まりますから!僕は第1話からTVの前で正座して見ます!みなさんともぜひ、同じタイミングで感動を共有したいと思いますので、アニメを見ながらSNSとかでも呟いていただいてね。ひょっとしたら僕も、そこに「火種」として混じってるかもしれません。「コココココ…」なんて笑いながらね(笑)。

キクチ:僕としては、まず「合従軍編」を見て欲しいです。それで合わなかった人には、もういっさい勧めません。僕はプライベートでも色んな人に『キングダム』を勧めてるんですけど、「合従軍編」を読んでもハマらない人には、もうそれ以上は無理には勧めません。それくらい自信をもってお勧めしますので、4月からのTVアニメ第3シリーズを大いに楽しんでください!!



キクチウソツカナイ。

ツイッター:@potatokikuchi2
吉本興業所属のお笑いタレント。お笑いトリオ「ポテト少年団」を解散後、ピン芸人として活動を開始。アイドル、漫画、バイクなどに造詣が深い。2015年放送の『アメトーーク!』「キングダム芸人」では桓騎のコスプレで出演。

吉村崇

ツイッター:@hnkyoshimura
吉本興業所属のお笑いタレント。「平成ノブシコブシ」のツッコミ・ネタ作りを担当。
2015年放送の『アメトーーク!』「キングダム芸人」では王騎のコスプレで出演。実写映画版『キングダム』のイベント試写会ではコーナーMCも務めた。

Photo:上山陽介

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『キングダム』原作者 原泰久

今年も4月からTVアニメ「キングダム」新シリーズが始まります!
敵国五か国の連合軍との戦いであった第3シリーズ「合従軍編」から一転、 今シリーズでは秦国内の権力争いにともなう戦いが色濃く描かれます。 王弟・成蟜の戦いを経て、嬴政は国内最大の障壁である呂不韋といよいよ対峙する時です。 キングダムの前半期のピークを迎えます。著雍攻略戦での信達の活躍にも注目です。
内容盛りだくさんの新シリーズもどうぞ宜しくお願い致します。

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