キングダム KINGDOM

Special

TVアニメ「キングダム」-合従軍編- Original Sound Track発売記念!
原泰久(原作者)×澤野弘之(音楽家)×KOHTA YAMAMOTO(音楽家)

週刊ヤングジャンプに掲載された“キングダム連載15周年を記念して【15の質問】”に質問を追加した拡大版を掲載!

●質問1

Q.朝起きたとき、そして夜寝るときのルーティンはありますか?

:ルーティンと言ってよいのかわかりませんが、朝起きたらすぐに仕事場へ直行し、原稿に取り掛かります。夜はスタッフを帰したあとも夜中まで描いて帰って寝る、という生活を週5~6日やっていますね。あとは1日、ネームを考えて。なるべく週に1回、休みを取ろうとしていて、取れた場合は映画を観に行ったりしますね。

澤野:原さんのお話のあとで言うことじゃないですけど(笑)、朝起きたときは食事してお茶を飲んでトイレに入るという、たわいも無い一般的な過ごし方です。そこから曲作りに入って。制作の間は基本的に休憩を入れずにやります。それが一段落して家に帰って寝るまでは自由な時間ですけど、一時期は海外ドラマを観ることを日課にしていました。ちょっと寝付きがよくないのが悩みです。

YAMAMOTO:朝起きたら、歯を磨いて白湯を飲んで、体をちょっと温めます。そこから制作に入る、という生活をもう何年か続けていますね。作業が終わって、寝るまでの時間に海外ドラマや映画を観るのは澤野さんと一緒ですね。あとは軽くストレッチしてからベッドに入ります。

●質問2

Q.睡眠時間。皆さん、何時間ぐらい?

:原稿を描いているときは4、5時間ですね。土曜日か日曜日、休みが取れるときはなるべく寝て、寝溜めしています。

YAMAMOTO:平均すると6時間ぐらいでしょうか。

澤野:ふたりから考えるとめちゃくちゃ寝まくってますね(笑)。大体8時間以上寝ています……。

●質問3

Q.好きな言葉、座右の銘などありますか?

:僕は昔から「なんとかなるだろう」って考える楽天主義ですね。ものづくりに関しては常に背伸びはしていますが、それでも肩に力は入れすぎないようにしています。

澤野:子供らしさというキーワードを、歌詞を書くときも大切にしています。子供の頃の純粋さ、青さをバカにしないというか。「あの頃は若かったから」と突き放しがちなのですが、若かった頃のほうが意外と挑戦しているし、大人になりすぎないようにするのが大事かなと思っていますね。

YAMAMOTO:こうして改めて考えたときに出てきた言葉としては、「不言実行」です。口に出して何かやるっていうよりも、何も言わないで粛々とやっていく。とはいえ普段から “よし、不言実行で生きよう”と思っているわけではないのですが(笑)。

●質問4

Q.人に話をするのと、聞くのではどちらが好きですか?

:話をするほうが好きですね。

澤野:僕もそうですね。聞くのも好きですが。

YAMAMOTO:僕はどちらかと言えば聞き手が多いですね。

●質問5

Q.インドア派、アウトドア派、どちらですか?

:インドア派です。準備しなくて良いならキャンプに行きたいです(笑)。

澤野:インドア派です。

YAMAMOTO:みなさんと同じく、インドア派ですね。

●質問6

Q.今の仕事をするにあたって、もっとも影響を受けた作品は何ですか?

:僕は子供の頃に読んでいた1990年代の『週刊少年ジャンプ』です。『ドラゴンボール』の連載がはじまったくらいですね。

澤野:この人生を選ぶのにあたっては、CHAGE&ASKAの音楽が非常に大きかったです。小学4年~5年生くらいに「SAY YES」を聴いて、そこからASKAさんの音楽にのめり込み、自分でも音楽をやりたいとなったので。

YAMAMOTO:音楽的なところでいうとビートルズですかね。学校の給食の時間にBGMとして流れていたのが「カッコいいな」と思って。特に、ジョージ・ハリスンの「ヒア・カムズ・ザ・サン」という曲が、自分で音楽をはじめるきっかけになりました。

●質問7

Q.やってみたい、未体験なこと

:南の島に行って何もしないか、豪華客船で世界一周ですね。ずーっと、ぼーっとしていたい(笑)。

澤野:できるのならば、映画館を貸し切って、ひとりだけで映画を観たいですね。誰もいないところで集中して観ることができたら幸せです。

YAMAMOTO:僕はバンドを組んでみたいですね。今からでも組めよって話ですが(笑)。希望のポジションは、サイドギターです。

●質問8

Q.これは絶対やりたくないこと、経験したくないことは?

:戦争です。こういう作品を描いているので、特に。

澤野:原さん以上の答えはないと思いますが……僕は高所恐怖症なので、スカイダイビングですね。

YAMAMOTO:やりたくないことはいっぱいありますが……スカイダイビングもそうですし、電車で閉じ込められるとか、車で渋滞にはまるとかも嫌ですね。

●質問9

Q.コロナがない世の中になったら行きたい場所は?

:正常化したら、海外に行きたいですね。やっぱり南の島でぼーっとできれば。それかラスベガスでカジノがしたいです(笑)。

澤野:僕は海外に行くよりも、東京を何も気にせずウロウロしたいですね。あとは福岡です。ご飯が美味しいじゃないですか。

YAMAMOTO:強いて言えば奈良ですかね。子供の頃に住んでいて、あの街の雰囲気が好きなので。

●質問10

Q.忙しい中で時間を捻出するために工夫していることは?

:僕はもう、睡眠時間を削るっていう方法です(笑)。

澤野:僕は工夫していることもなければ、工夫する必要も現状はない感じですね……。

YAMAMOTO:確かに僕も、睡眠時間を削ることでなんとかしていることが多いので、良い方法を見つけたいですね……。

●質問11

Q.創作のアイデアが湧く場所はどこですか?

:ずっと座っている作業机です。

澤野:基本的にはデスク、パソコンの前ですね。たまに映画を観ているときや寝ているときにアイディアが浮かぶこともあります。

YAMAMOTO:おふたりと同じく、パソコンが置いてある机ですね。

●質問12

Q.制作に行き詰まったときはどうしますか。

:そういうときは澤野さんの音楽を聴いています。

澤野:僕は行き詰まるってことはあまりないですね。無理やりにでも最後まで進めます。納得行く、行かないに関係なく進めてしまいます。

YAMAMOTO:行き詰まったときは散歩をしますね。例えばサントラ聴きながら歩いたりして、そこでおもしろそうなアイディアを発見したら、それがきっかけになったり。『キングダム』の音楽を作っているときは、『キングダム』を読み始めて読む方に熱中しちゃうこともありました(笑)。

●質問13

Q.ストレスの発散法、解消法はありますか。

:真面目な話をすると、おもしろいものを描く以外にストレスを発散する方法はないですね。あとはお酒ですかね。

澤野:僕はご飯を食べることが好きなんで。みんなで食事をして、美味しいものを食べることですね。

YAMAMOTO:解消する方法は特にないですね……ストレスを抱えたまま、時が経って消えていくのを待っているタイプです。

●質問14

Q.今の仕事をしていなかったら、どんな仕事をしていましたか?

:映画制作に進んでいたと思います。どうなっていたのか、もちろんわかりませんが。もし(漫画家として)失敗していたらという話だと、(前職の)SEに戻っていたかもしれないですね。

澤野:ニートじゃないですかね(笑)。ずっと親のスネをかじっていたと思います。それくらい、音楽が仕事にできて良かったと思っています。バイトすらどうサボるかを考えていた人間だったので……。

YAMAMOTO:僕は原先生と同じく、前職がSEだったんです。今の仕事をやる決意をしなかったら……たぶんその会社を辞めなかったと思います。

●質問15

Q.今の仕事に就くことを何歳ぐらいから考えていましたか?

:高校1年生のときにひとつの選択肢として考えていて、現実的に決意したのは大学3年生ですね。大学の3年生までは、ほんとに麻雀ばっかりやっていたので(笑)。

澤野:小学校6年生のとき、CHAGE&ASKAを好きになった頃から親戚には「音楽やりたい」と言っていたらしいです。でもきちんと職業として意識したのは高校時代ですね。それで親から作曲の先生を紹介してもらって、やりはじめたらここまで続いているという感じです。

YAMAMOTO:作曲家になる、というタイミングで言えば24歳か25歳のときです。前職に就職した後にもう1回、ちゃんと音楽の仕事に関わりたいと考えたのはその年齢でした。ただビートルズを聴いて、音楽をやりたいなと漠然と考えたのは、中学校2年の時期ですね。

●質問16

Q.迷ったことを周囲に相談するタイプですか、自分で解決するタイプですか。

:あんまり相談しないタイプですね。でも、少し歳を取って、するほうに変わってきたかもしれません。若い頃は全然しませんでしたね。

澤野:僕もあまり相談しません。大事なことに関しては、周囲の人に話すことはあっても、その結論はもう自分の中で決まっていることが多いですね。

YAMAMOTO:おふたりと同じく、あまり相談はしないですね。こまごまとした実務的な内容は周囲の人に聞くことはあります。

●質問17

Q.大切にしている仕事道具はありますか。

:僕は机ですね。椅子よりも、机がけっこう重要な気がします。ずっと同じものを使っていて、(福岡に)引っ越してきてもまた良いのに巡り会えて、今、ばっちりですね。

澤野:ずっと持っている、使っている道具はないですね。DTM(PC上で操作できる音楽ソフト)があれば、円滑に進められるので。ただ、データが消えたりしたときはめっちゃ(PCに)キレるので、大事にはできてないです(笑)。

YAMAMOTO:同じくDTMで作業しているので、パソコン、キーボードは大事にしています。だからといって、丁寧にメンテナンスしているということではないですが。デモではギターを弾くので大切にしていますが、仕事道具というよりも楽器という感じですね。

●質問18

Q.生涯をかけて取り組みたい作品やプロジェクトについて教えてください。

:まさに今描き進めている『キングダム』を終えることが使命ですね。ただ、それが生涯をかけて作り出したものにならないようにしたいです。次から次に、さらに良いものを創り続けたいですね。

澤野:作家としては、さまざまなプロジェクトや作品に関わり続けているので、ひとつの作品というよりも、音楽そのものに生涯をかけている感覚があります。

YAMAMOTO:音楽を続けていきたいというのが大前提にあって、アニメやドラマなどの作品を通して音楽制作に携わっている形ですが、それとはまた別に自分名義の楽曲も作っていければと思います。それは生涯かけてというか、長いスパンで制作できればと思っていますね。

●質問19

Q.仕事を続けるうえで必要な心構え、大事なことを教えてください。

:より高いところを目指すという気持ちがあればずっと続けられると思います。僕にとっては、一番売れることを目指す、ということです。おもしろいものを描くのは大前提ですが、それで満足したら自己満足になるので、さらに高いところを目指す方にモチベーションの軸足を置いています。

澤野:現状に満足しないことですね。作り終えた瞬間の納得感や達成感は大事ですが、目指している自分の立ち位置はもっと上なので。「今、良いポジションにいるぜ」と思っていたら、たぶん終わりなので。あとは、うまくいかないことに対する悔しさや怒りがエネルギーになっているので、それを持ち続けていくことですね。

YAMAMOTO:意識しているのは、最新で作っているものが自分のなかでいちばん良いものにする、ということです。過去の作品の中で気に入っているものもありますが、常に最新の曲が一番好きでいられるように。そういう心がけで制作をしています。


原 泰久

佐賀県出身。2006年、週刊ヤングジャンプ9号より『キングダム』の連載を開始。2021年4月より、TVアニメ「キングダム」が毎週日曜 24:10~NHK総合にて放送中!

澤野弘之

東京都出身の音楽家。多数のドラマ、アニメ作品で音楽を手掛けるほか、ボーカルソングプロジェクトSawanoHiroyuki[nZk]でも活躍する。2021年4月から放送が再開されたアニメ『キングダム』合従軍編の音楽を、KOHTA YAMAMOTOと共に担当。

KOHTA YAMAMOTO

東京都出身の音楽家。アーティストへの楽曲提供・編曲のほか、ドラマ・アニメ・CMなどの映像作品用インスト曲の制作を手掛ける。澤野とは、『進撃の巨人 The Final Season』や『86-エイティシックス-』でも共作している。


© 原泰久/集英社

TVアニメ「キングダム」 -合従軍編- Original Sound Track

2021年7月21日(水)発売!
EYCA-13460~2/3枚組/価格:3,800円(税抜)

【収録内容】
原作・原 泰久先生自ら参考音源提供の「汗明の登場シーン」の楽曲など、計60曲以上を収録!

【永続特典】
・原作・原 泰久先生描き下ろしスリーブケース
・アニメ描き下ろしジャケット
・特製ブックレット
(原作・原泰久先生×澤野弘之×KOHTA YAMAMOTO鼎談掲載)
※内容や仕様は予告なく変更になる場合がございます。

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『キングダム』原作者 原泰久

今年も4月からTVアニメ「キングダム」新シリーズが始まります!
敵国五か国の連合軍との戦いであった第3シリーズ「合従軍編」から一転、 今シリーズでは秦国内の権力争いにともなう戦いが色濃く描かれます。 王弟・成蟜の戦いを経て、嬴政は国内最大の障壁である呂不韋といよいよ対峙する時です。 キングダムの前半期のピークを迎えます。著雍攻略戦での信達の活躍にも注目です。
内容盛りだくさんの新シリーズもどうぞ宜しくお願い致します。

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