
紀元前、中国西方の秦国しんこく。
今は亡き親友と夢見た
「天下の大将軍」を目指す下僕の少年・信しんは、
王都で起きたクーデターに巻き込まれ、
秦王・嬴政えいせいと運命的な出会いを果たす。
時は流れ、戦場に身を置く信は、
同世代の将である蒙恬もうてんや王賁おうほんらと切磋琢磨しながら
武功を重ねて着実に出世を果たし、
これまで年若いことを理由に補佐役の
相国・呂不韋りょふいに国の実権を握られていた嬴政も、
その類稀なる才覚によって、
弟・成蟜せいきょうらかつて対立していた者たちをも
味方につけ確実に宮廷内での影響力を強めていた。
そんな中起きた函谷関かんこくかん攻防戦。
趙国ちょうこくの天才軍師・李牧りぼくと楚国そこくの
宰相・春申君しゅんしんくんの働きかけにより
列強五か国が参加することになった合従軍に
攻め込まれた秦国は、
亡国の危機に国家一丸となって立ち向かいこれを打ち破る。
この戦いで嬴政は、自らの才を証明してみせ、
まもなく行われる成人の儀式「加冠の儀かかん の ぎ」において、
国内外に向け自らが「第31代秦王」であることを宣言し、
国の実権を取り戻すことを誓う。
だが、中華全土を巻き込んだ戦いは、攻め込まれた秦国も、
合従軍に参加した国々にも大きな爪痕を残した。
秦国では、混乱に乗じた内乱を目論む者が現れる。
さらには呂不韋が自身の野望達成のための
最終段階へと動き出す。
国家存亡の危機を乗り越えた秦国に、
新たな波乱の兆しが見え始めていた―。
列強五か国が参加した合従軍との戦いに勝利し、その後の復興が進む秦国しんこく。
国家最大の危機となった合従軍戦で、
自身の類稀なき才覚を見せつけた秦王・嬴政えいせいの宮廷内での存在感は増し、
相国・呂不韋との国の実権をかけた争いはますます激化していた。
嬴政は、弟・成蟜せいきょうの陣営を最大勢力として呂不韋陣営に対抗していたが、
そんな中、成蟜の第一夫人・瑠衣るいが帰省中の故郷・屯留とんりゅうに趙軍ちょうぐんが侵攻。趙軍制圧と妻の救出のため、成蟜が自ら軍を率いて屯留へと向かう。ところが、その後王都・咸陽かんように届いたのは「成蟜が反乱を起こした。」という報せだった!
謀略の気配も漂う中、嬴政は成蟜の真意を確かめ反乱を鎮圧するため、信しん率いる飛信隊ひしんたいを屯留へと向かわせる。
果たして反乱の真相とは!?
合従軍戦後、新たな要所となった著蕹ちょようを巡り、秦国しんこくは魏国ぎこくと激しい攻防戦を繰り広げていた。
総大将・騰とうに召集された信の飛信隊ひしんたいと王賁おうほんの玉鳳隊ぎょくほうたいだが、秦軍しんぐんは、優れた軍略家である魏軍ぎぐん総大将・呉鳳明ごほうめいに苦しめられることになる。
状況打破のため、秦軍は王賁が提案した玉鳳隊、飛信隊、騰配下の録嗚未ろくおみ軍による「三軍同時魏軍本陣突入」の作戦を決行。三軍が魏軍本陣を目指し突き進むも、飛信隊、玉鳳隊の前には、かつて戦場にその名を轟かせた豪傑たち
「魏火龍七師ぎかりゅうしちし」が立ちはだかる!
各国が注目する中、秦軍は、傑物・呉鳳明率いる魏軍に勝利し、著蕹攻略を果たすことができるのか!?
その年、秦王・嬴政しんおう・えいせいが成人を迎え、旧都・雍ようにて、国内外に向け、成人した王の誕生を示す式典・加冠の儀かかんのぎが執り行われることとなった。この式典が終わったとき、嬴政は自他国ともに秦国の君主として認められ、その地位は揺るぎないものとなる。一方で、これまで王にかわって国の実権を握って来た
相国・呂不韋りょふいもまた、
自らの野望達成のため最後の仕上げに動き出す。
そんな中、著蕹ちょようでの戦いの後、軍事拠点の一つ山陽さんよう一帯の統治を申し出た後宮勢力が、突如北方の僻地・太原たいげんを拠点に新たな国・毐国あいこくを建国。さらには軍備を整え、王都・咸陽かんようを狙った反乱を起こす。
王都の危機に「ある人物」から密書を受け取った飛信隊ひしんたいは、
急遽結成された討伐軍に合流。
秦王・嬴政の御子の命を狙う反乱軍と
激しい戦いを繰り広げる!
度重なる内乱に国が揺れる中、執り行われることとなった加冠の儀。嬴政は式典を無事に終え、
秦国の王として相国・呂不韋から国の実権を取り戻せるのか!?
嬴政と呂不韋による長きにわたる権勢争いが、ついに決着の時を迎えようとしていた――。
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第26話「六将の行方」
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第25話「雄飛の刻」
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第24話「内乱の終着点」
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第23話「逆転の猛進」
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第22話「命がけの逃避」
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第21話「唯一の勝機」
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第20話「夢のような国」
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第19話「袂を分かつ」
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第18話「渡河の戦い」
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第17話「三方ゆずらず」
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第16話「加冠の儀」
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第15話「何もない男」
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第14話「新しい国」
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第13話「咸陽の動き」
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第12話「傑物達の世代」
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第11話「修練の日々」
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第10話「中華の注目」
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第9話「紫伯の名」
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第8話「貂の存在」
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第7話「呼びかけ」
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第6話「新たな要所」
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第5話「剣と盾」
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第4話「屯留攻城戦」
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第3話「討伐軍出陣」
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第2話「不穏な影」
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第1話「戦後の七国」
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